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断片と断片の連想ゲーム

キュレーションメディアと、手間を省くということについて。

 /前菜

情報があふれて、情報を取捨選択によって人生やビジネスが変わってしまう時代。個人も企業も、自分に必要な情報を効率よく収集する術を養っていくことが大切です。
特に企業は、ソーシャルメディアマーケティング の中での情報収集をする機能、常にソーシャルメディアをウォッチする仕組みを取り入れることが、とっても肝要な時代になった。Twitterやニュースサービスを検索して、自社の業界の新しい動きや情報を収集しなければ、発信もできなくなってしまいます。

洪水のような情報の中から、自分に必要な情報をどう選ぶかが問題。
http://www.ex-ma.com/blog/archives/1070

 

キュレーションメディアと呼ばれるメディアが昨今増えた。
Gunocyなどのニュースサイトの記事なんかをユーザーの趣味嗜好に合わせて集めてくれるサービスのことだ。

/Curateの意味

そもそも、英単語のCurationと言う意味はどういうものなのだろう?
Dictionary.comによれば、CurationはCurateの名詞形。
Curate自体は1300年頃から出てきた単語で、ラテン語のCuratusに由来する。
語源的にはCare(注意を向ける/意識する)とate(する)という単語の組み合わせのようだ。

 


そこから転じて、名詞形であれば牧師をのアシスタント、動詞であれば収集、整理整頓、取捨選択、などの意味をもつ。

話題をつなげて、キュレーションという行為自体だけで言うのであれば、それに該当するようなメディアは腐るほどある。
NaverまとめだってTogetterだって、情報をまとめるという意味では同じだ。論文を書くのだってそのような側面はあるだろう。
まあ、大意としてはこんなところだ。

 

/自分の情報収集について

個人的にはつい廃になり始めてから2年が経過したけれど、毎日基本的につぶやいてTLを見ているので、下手なキュレーションメディアを利用するよりも、人がいる時間帯(日本時間で午前10〜12時、夕方4時から7時、夜10時から12時あたり)にタイムラインをぼんやりと見れば、その日起こったことがキュレーションメディアにあるリンクを踏むのと同じくらいの時間で、時にはそれ以上のクオリティを期待できる。

 

そう言う意味でキュレーションメディア単体を個人的にはタイムラインで得た情報の補佐としてしか使っていない。なので一ヶ月に二回も見ない。

 

/冷凍食品とキュレーションメディア

この辺のメディアというのは正直、冷凍食品のようなものだと思っている。
冷凍食品ばっかり食べていては食がかたよるが、その手軽さは魅力だ。
次第にそれ以上の手間を支払わなくなり、久しぶりに料理をしようとしても忘れていたり、億劫になってしまうこともあるだろう。


そして冷凍食品が原因で長期的には塩分を摂り過ぎてしまったり、もしくは健康を損なってしまい、コストを余計にしはらなわなくなってしまうこともある。
このようなメディアにばかり頼っていては情報の収集能力は衰えるし、もし万が一このようなメディアがユーザーの興味を踏まえた上でデマを孕んだ情報を収集するようになったら、
それを精査する前に誘導されてしまう、ということもありえるんじゃないだろうか。

と、いうのはまあただの思考の寄り道だけど、ただでさえ日本のメディアというのは某ブログを筆頭にソースの提示が不十分だったり、新聞系のメディアに関しては偏向報道やその取材方法のインモラルさが問題視されているなかで、キュレーションメディアは手間を省略するだけでなく、私達の思考や警戒心まで省いているのではないだろうか。

 

冒頭で引用した、「情報収集の大切さ」を啓蒙するような文章があったが、そもそも「情報収集という手段は何のためにするものなのか?」という視点が欠けているように思えた。

情報の量があればいいわけでもないのは確かだが、効率が良ければいいというものでもない。結局、何のために今自分は情報収集のパイプを持つのか、ということがはっきりしていなければ、情報収集の手段に使役される奴隷になってしまうのではないだろうか。

 

/結論

以前に書いた記事の文脈を引き継いで、知識欲が脳の食欲だとするのなら、情報収集とは食材の収集であり、食事そのものだ。

何をどこから仕入れてきて、どうやって食べるのか、というのは意外と重要で、調理の仕方では体に毒になるものも、有益な成分が無駄になってしまうこともある。
自分が自分のなかに何を取り入れているのか、ある程度注意することが大事なんじゃないだろうか。

最後に、以前も引用したお気に入りの言葉を添えておく。

 

”自分の”楽”は必ず誰かが肩代わりしてるの。
大きな技術に関わっている人たちがそのことを忘れてしまうのは、ほんとうに恐ろしいことよ。”

http://itogakiretatako.seesaa.net/article/228420745.html