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fragment

断片と断片の連想ゲーム

2015年の年賀状について。

あけましておめでとうございます。
今年の年賀状がやっと完成したのでデザインの解説とその意味について書いていこうと思います。
デザインテーマは4つ、ゴシック、トライバル、シンメトリー、そしてモノクロームです。デザインテーマとコンセプト自体は去年の年賀状を作った後に既に思いついていたので、一年くらい寝かせて置いたことになります。

 

 

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■デザインテーマ

トライバル:基本的にベクターでごりごりデザインするのが好きなのですが、あまりベジェ曲線はいじらなかったので、今年のはベジェ曲線をゴリゴリつかったデザインにしたいなと思っていました。そういうわけで前々から好きだったトライバル柄を自分で作ってみたいなと。

 

ゴシック:ゴシックは干支の羊から連想ゲームして行った感じですね。ゴシックなデザインってなにかしらヤギや羊をモチーフに使うことが少なくないように思ったので。

 

モノクローム:ここまで来るとトライバルでゴシックとなるとモノクロームにするのが一番安定するだろうな、ということでモノクロームもテーマの一つに加えました。そもそも自分はモノクロとか色の少ない平面的なデザインが得意なので、久しぶりにそう言うデザインをしたいというのもありました。

 

シンメトリー:トライバルとゴシックというのはどうしても複雑さで魅せるデザインのように思うので、敢えてその構造とかレイアウトはシンプルにすべきだろうなと思ってシンメトリーにしたいと思っていました。そもそもここ数年シンメトリーなデザインをしてなかったからというのも大きいです。

 

■パーツについて

:言うまでもなく今年の干支ですね。しかし顔はファイアボールのドロッセルお嬢様をモチーフにしました。羊の角にもいろいろありますが、個人的に曲線が好きなのでアモン角とよばれるタイプのものを採用しました。表情は子羊の写真を見ていて猫に似ているなーと思ったので、思い切って猫の顔をモチーフに採用。鼻のあたりとか、とっても可愛いでしょ(´∀`*)ウフフ。

トライバルでゴシックといえばベネチアンマスクをぜひ使いたかったので、目回りは人間のリアルな目の形にしてみました。あとは口ですが、正直付けるか迷いましたが、でも付けないと大分固いというか、ゴシックに偏りすぎてしまうので結局付けることに。顔の模様は刺青らしさを意図した感じですが、正直これがないと顔がすごく威圧感を持ってしまってとっても寂しくなってしまうのですw

 

背景のチェック柄:背景を真っ白にしても良かったのですが、敢えてチェック柄を足してみました。なぜかというとこれがあることで羊の顔に微妙な立体感というか、浮遊しているような効果を与えられるからです。

 

内枠のレモン型フレーム:もともとレモン型にすることは考えていなかったのですが、偶然この形ができたのでこれを活かす形になりました。上下に広がる三重の線で描かれたその周りのフレームはチェック柄と同じく錯視的な視覚効果を与えるためのものです。

 

四隅のフレームとカード状のデザイン:これはトランプのようだという感想をいただく事が多かったのですが、実はこれのモチーフはカードキャプターさくらというアニメのクロウカードなのです。先日ひさしぶりに見る機会があったので、テーマにちょうどいいなとおもった次第です。

 

文字について:これも質問がありました。Name Your Yearという言い回しは僕の考えたキャッチコピーです。Nameという単語の動詞としての意味に名付けるという意味の他に責任を以って決める、というような意味がありまして、「言い値で買おう」に似たような言い回しでName your priceという言い方があるのです。つまり、行動を以って2015年という一年の名を刻め、みたいなニュアンスです。フォントはTimesみたいなかっちりしたのを選んでも良かったのですが、かっちりし過ぎる気がしたのでお洒落なものにしてみました。

 

 

■デザインのモチーフとサブテーマについて

クロウカード、ドロッセルお嬢様、錯視効果、モノクロームというテーマとの矛盾、笑顔という表情、この辺りに実はサブテーマとメッセージが込められています。

去年辺りからデザインテーマと同時にサブテーマというのも設定していて、これは自分が実現したい演出と技術テーマのようなものなのです。そして今年は錯視効果と色の刺し方がそれでした。

色というのは不思議なもので、光の当たり方一つで影の部分が青くなったり赤くなったりするんですよね。そういう、影とか光の当たり方を大事にしたいと思って猫の鼻だったり、角の白黒の構成にたどり着きました。

また、実はちょこちょこ白と黒以外にも色を使っていて、特に内枠にじつはこの内枠の中だけ微かに青を入れてあるのです。これをすることによって四隅との段差を表現してみました。ちなみに青を選んだのは今年の気分ですね。燃えるような情熱ではなくて、冷めたような冷静な一貫性を持ちたいな、と。

またモチーフに選んだクロウカードというのはCCさくらのクロウ・リードという人物によって作られた魔法のカードで一つ一つのカードが生命を持っているのです。しかしそれはきちんと管理したり、カードに主と認められないと逃げてったりイタズラをしてしまうということでもあり、なんともメチャクチャなカードなのです。

同じくモチーフにしたファイアボールというのは、ディズニーの3DCGコメディアニメで、プロットは遠い未来のとあるお城で、執事ゲデヒトニスと主人のドロッセルお嬢様による面白おかしい日常会話が繰り広げられる、というありとあらゆるオマージュやネタが詰め込まれたサイコーに面白いショートアニメです。

 

 

■表現したかったものについて■

ファイアボールでは、ゲデヒトニスもドロッセルも笑いません。驚くほど両者は表情豊かに行動するのですが、しかしその表情は機体に明確には表現されません。特に声を上げて笑ったりするような事がないのです、まるでコメディアンが自分のジョークに笑わないように。

それをモチーフにした羊が、クロウカードという命を宿すものを模したカードの中でテーマと矛盾するように色を持って笑っている、そんな得体のしれない感じ。

つまるところ、これらの些細な情報の組み合わせで表現したかったメッセージというのは、一言で言えば一年という不確定性との対峙なのです。どんなところで生きていたとしても、今はまだ始まりで、来年の今頃にはどうなっているかわからない。けれど今年というのは確かにあって既に目の前にある。そんな得体のしれなさを象徴するようなデザインのカードと、それに書かれたひとひらの言葉で、新年と言うこの不思議な節目を表現できたかと思います。

 

願わくば、あなたの羊が良き友となることを祈っています。

あなたの一年が佳い一年でありますように。