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fragment

断片と断片の連想ゲーム

”女友達が結婚した”について。

Love Story

女友達が結婚した
http://anond.hatelabo.jp/20140722220525

50歳くらいになったら、このことに尾ひれと立派な羽をつけて、小説を描けばいいと思うな。この文章と描き方、そして見方がとても好きだ。

でもこれで不倫関係になっちゃったらすごく良く燃えそうだなーって思った。

 

 

女友達が結婚した 

女友達結婚した。正確には数ヶ月前に結婚して、先週が披露宴だった。心からお祝いするよと言ったはずなのに、頬は引きつって、目はうまく笑えなかった。共通の友人には気づかれたかもしれないな。

彼女は年上の元同僚。美人で気立てが良く、利発で、スポーツアウトドア趣味も合い、活発で、新しい遊びや旅行の企画を次々立ててくれ、しょっちゅう遊びに誘ってくれた。会話の引き出しも多く話すのも楽しかったし、また聞き上手で俺の思っていることもぴたりと分かってくれた。料理もうまく、遠出のときなんかはみんなの分の弁当軽食なんかをさりげなく持ってきてくれたし、彼女の家で飲み会するときも見事な手料理を振舞ってくれた。美人なのに気取ったところがまったくなく、どちらかというとむしろ自分三枚目を演じているような印象を持っていた。

彼女はなぜか俺のことを気に入ってくれ、会うたびに「増田くんかわいいね、イケメンだね」と言われた。まわりにも俺が彼女お気に入りだというのは公然と知られていて、どこかに遠出するときなんかも彼女は「増田くんはわたしの隣ね」なんて言うので俺はたじたじだった。

ふたり遊んだことも何度かあった。というか、彼女が俺も含めて何人か誘っていたんだけど、他の連中に急用ができたりして、結果的ふたりだけになったんだけど。ふたりきりのとき彼女の俺に向けた好意は変わらなくて、電車深夜バスでうとうとする俺に、「寄っかかっていいよ」と肩を貸してくれたりした。

俺には大学に入ってすぐの頃から付き合っている同い年の恋人がいた。恋人美人の部類に入るが、あまり社交的でなく、友達は少なかったし、趣味という趣味もなかった。箱入り娘で、親のいうとおりになんとなく勉強して大学に入り、なんとなく院に進み、しかドロップアウトして宙ぶらりんになってしまった。恋人が26歳を過ぎたある日、「結婚するか別れるか選んで」と迫られた。7年くらい付き合っていて恋愛ときめきもすっかりなくなっていたけれど、そんな状態の恋人を捨てることはできないと思った。俺は恋人プロポーズし、お互いの両親に紹介し合い、そして結婚した。

恋人結婚することを彼女に報告するとき、俺はどんな顔をしたらいいかわからなかった。結婚するんだ、と言ったら、なんとなく知ってたよ、と彼女は言った。披露宴に来てと言ったら、新郎側のゲストなら少し地味にしないとね、と笑って、黒のドレスを新調してくれた。

彼女結婚相手は一回り以上年上で、容姿こそ冴えないが、優しそうな人だった。彼女に猛アタックして、断られても誘い続け、ようやく交際にこぎつけたらしい。彼女大事にしているのがよくわかった。彼女幸せそうだった。彼女はこれからあの旦那さんのためにうまい料理を作り、笑顔を向けるのだろう。

結婚か別れか、恋人に迫られたとき、もし別れを選んでいたら。俺は彼女告白していただろう。ウェディングドレス姿の彼女の隣にいたのは、もしかしたら俺だったかもしれない。あの時ちゃんと自分と、恋人と、彼女と向き合っていたら、今とは違う今があったのかもしれない。

眩しいくらい綺麗な彼女花嫁姿を見ながら、そういう女々しいことを、披露宴の間じゅう考えていた。